この記事では、ほくしんテストの過去問をもっと活用できるように情報をいろいろとまとめました。
北辰テストの過去問を購入して、ただ解くだけでなくしっかりと解き直しをしましょう。
第1回目の解説はこちら
このページのもくじ
2022年ほくしん過去問【国語】第2回
採点早見表
大問1:文学的文章(26点)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
1_1 | 4 | 心情把握 | 76 | |
1_2 | 5 | 心情把握 | 33 | 41 |
1_3 | 7 | 心情把握 | 80 | |
1_4 | 5 | 内容把握 | 29 | 37 |
1_5 | 5 | 表現 | 53 |
大問2:漢字・国文法・話し合い(24点)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
2_1(1) | 2 | 漢字読み取り | 52 | |
2_1(2) | 2 | 漢字読み取り | 76 | |
2_1(3) | 2 | 漢字読み取り | 32 | |
2_1(4) | 2 | 漢字書き取り | 59 | |
2_1(5) | 2 | 漢字書き取り | 92 | |
2_2 | 3 | 活用の種類 | 34 | |
2_3 | 3 | 四字熟語 | 26 | |
2_4(1) | 3 | 話し合い | 86 | 3 |
2_4(2) | 3 | 話し合い | 78 | |
2_4(3) | 2 | 話し合い | 47 | 9 |
大問3:説明的文章(26点)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
3_1(1) | 5 | 内容把握 | 46 | |
3_1(2) | 7 | 内容把握 | 67 | |
3_2(1) | 4 | 内容把握 | 82 | |
3_2(2) | 5 | 内容把握 | 10 | 23 |
3_5 | 5 | 内容把握 | 40 |
大問4:古典(12点)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
4_1 | 3 | 歴史的仮名遣い | 93 | |
4_2 | 3 | 内容把握 | 64 | |
4_3 | 3 | 内容把握 | 25 | 3 |
4_4 | 3 | 内容把握 | 54 |
大問5:作文(12点)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
5_1 | 12 | 課題作文 | 7 | 82 |
大問1|文学的文章の問題
題材:『赤ヘル1975』著:重松清
場面:1975年の広島。中学の野球部。
人物① マナブ:東京から引っ越してきた中1。
人物② ヤス :マナブと同じクラス。野球好き。運動神経が良い。野球部から勧誘を受けている。
人物③ ユキオ:マナブと同じクラス。野球好き。
人物④ ヤスの母:片桐酒店を営んでいる。
状況:ヤスは野球部の勧誘を断り続けている。
問1
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
1_1 | 4 | 心情把握 | 76 |
まずは誰の何を選ぶのか確認しましょう。
ここではユキオが傍線部を発言したときの心情を選択肢から選びます。
本文の傍線部が含まれる段落を読んでみると
傍線部直前にユキオが顔をしかめていると書いてあります。
「顔をしかめる」行動は、一般的に否定的な心情を示すもの。物理的または精神的な不快感が生じた場合、身体的な痛みを伴う状況、何かに対する不満があるとき、そして困惑や理解できない状況に直面したときの心情。
このことから、ユキオは不満を持っていることが読み取れます。
その不満の理由を確認するために、本文の最初から読んで流れを見ていきましょう。
- 運動神経の良い野球好きのヤス=期待の新人
- しかし、家の手伝いで野球部に入らずに家に帰ってしまう
- マナブは落胆、ユキオは諦め
- マナブはまだ諦めきれない→ユキオ少しイライラ
- マナブは手伝いを提案→ユキオはたしなめる
- マナブはわかってはいるが諦めきれない状況
ユキオはこの会話の中で
「他人が言うたらいけんよ」「ヤスがたの事情があるんじゃけえ」
と発言している点も注目すると
不満の理由はヤス本人ではないマナブがヤスの事情をあれこれ言っていることが理由だと読み取れます。
次に選択肢をそれぞれ見ていきましょう。
ア:明らかに間違い
まず注目するのは述部の「卑怯さをさげすむ気持ち」これもマイナスの感情ですがユキオが持っている不満とはズレていますね。さらに、前半の「自分のことを棚に上げて」もマナブにそんな発言はないので間違い。「他人の言動をあれこれ批判するマナブ」は少し強めの表現ですね、マナブも諦めきれない気持ちを持っていましたが、ユキオの発言を批判しているわけではないため、ここも間違いですね。
イ:正しい
述部「いらだつ気持ち」は不満を持っているユキオの気持ちと合いますね。まずこの時点で第一候補。さらに分解して検証していきます。前半の「当事者でもないにもかかわらず」はユキオの「他人が言うたらいけんよ」から正しい。「他人の事情にしつこく口出しするマナブ」も諦めきれず手伝う提案をしていることから正しいことがわかります。よってこちらの選択肢に明確な間違いが無いため適切であると判断できます。
ウ:明らかに間違い
述部「あきれる気持ち」は不満を持っているユキオの気持ちとは少しミスマッチしていますが、明らかに間違いではないので保留。しかし「広島の事情も理解しない」「東京のやり方を押し付ける」は明らかにユキオが不満を持っている理由では無いため間違いとわかります。
エ:間違い
述部「うとましく思う気持ち」は違和感が大きいときのマイナスの感情であるので、不満を持っているユキオの気持ちとは少しミスマッチしていますが、明らかに間違いではないので保留。しかし、「他人を結果論で否定」はマナブの発言からは読み取れません。「自分の理想を押し付ける」はヤスが野球部に入れる理想を諦めきれずにいるため正しい。よって「イ」と比べると最も適切ではないので、間違い。
何かや誰かに対する違和感や不快感。自分の価値観や感覚と異なる何かに直面した時、特に他人の行動や言動が自分の認識と大きく乖離している場合に、この感情が生じます。
今回の選択肢は述部だけでも判断できてしまいますが、見直しなど時間があるときは検証するのがおすすめです。
賢い犬
問2
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
1_2 | 5 | 心情把握 | 33 | 41 |
気づかないふりをして、そっぽを向いたときのマナブの心情を記述します。
キーワード「自分」「筋合い」
本文の傍線部付近でキーワードを探します。
今回は傍線部の前にすぐキーワードが使われているので見つけやすいですね。
- 「自分」傍線部から3行前
- 「筋合い」傍線部から1行前
このときのマナブの心情を考えると
自分で思いついた(ヤスの母の店を手伝う)ことを自分でやろう!なにか言いたげなユキオに横からケチを付けられる筋合いなんてないと思っていると予想できます。
北辰テストの記述問題は9割本文をそのまま使えばいいので
「自分で思いついたことなのだから、自分でやれば良い」
「横からケチを付けられる筋合いなんてないし」
これをまとめると
「自分で思いついたことだから、自分でやる。横からケチをつけられる筋合いなんてない」
となります。
ここでは自分が相手との関係を断ち切りたい、または相手との対話を避けたいという意志を示すこと。
キーワードを本文で見つけて、本文をそのまま使って記述していきましょう
賢い犬
問3
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
1_3 | 7 | 心情把握 | 80 |
聞かれていることはマナブがおかしくなって、寂しくなって、悲しくなった理由です
傍線部の7行前から流れを確認していきましょう。
- ヤスの母は店番、ヤスは自転車で配達中
- ヤスの母は配達がてらトレーニングしているヤスにあきれて笑う
- マナブもそれを聞いて笑う
といった流れとなっており、全体の状況として
- 運動神経の良いヤスは家を手伝うため野球部の誘いを断っている
- マナブはヤスに野球部に入ってほしいと思っている
このことから
マナブはヤスがトレーニングしていると聞いておかしくなって笑い、しかしヤスが野球ではなく店の手伝いをしていることに寂しくなり、悲しくなったのではないかと予想できます
マナブの心情を本文で確認してから選択肢を検証していきましょう。
ア:間違い
述部「家業を継ぐことを選んだ」は間違い。ヤスは手伝っているだけで家業を継ぐことは決めたとは言っていない。前半の「素晴らしい運動神経をもつヤス」は正しい。
イ:間違い
述部「野球をやりたくない理由がわからない」は間違い。ヤスは店の手伝いがあるから野球をやらないので理由ははっきりしている。前半の「体を動かしていないと落ち着かない」は本文に「ムズムズする」と書いてあるので正しい。
ウ:明らかに間違い
述部「店の手伝いをせずに出かけていた」は明らかに間違い。前半は正しい。
エ:正しい
述部「野球をできない状況にある」は正しい。野球ではなく店の手伝いをしている状況であるので、ここが正しいのは明らか。前半の「手伝いの最中でも体を動かしたがっている」も「足腰を鍛えるトレーニング~」と書いてあるので、正しい。
問4
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
1_4 | 5 | 内容把握 | 29 | 37 |
ヤスの母にはどのようなことがわかっていたのか要約する問題ですね
こちらも与えられたキーワードを本文で見つけて文章をまとめていきましょう。
キーワード「アルバイト」「野球部」
- 「アルバイト」は1ページ前の後半部分で出てきますね
- 「野球部」は2行前に書いてあります
キーワードが使われている箇所を抜き出すと
「僕、ここでアルバイトしたいんですけど」←マナブの発言
「ヤスも野球部で頑張って」←ヤスの母の発言
これをまとめると
マナブがアルバイトをしたいといったのは、ヤスに野球部で頑張ってほしいからだということ。
問5
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
1_5 | 5 | 表現 | 53 |
基本的には選択肢に書かれている部分を本文で確認すれば簡単に正解を絞り込めます
ア:明らかに間違い
「帰っちゃったんだな、また・・・」(1ページ3行目)
「わかってるけどさあ・・・」(1ページ12行目)
述部「マナブの強引な人柄を書き出している」は△ですね。強引な人柄ではなくマナブは諦めきれずに考えあぐねている表現で使われていますね。
イ:明らかに間違い
「カープのことは悪うしか言わん」(1ページ18行目 ちょうど真ん中あたり)
述部「ヤスが入部して活躍することを期待するユキオの思いが暗示」は間違い✕ですね。問2で状況をしっかり確認できていればユキオはマナブをたしなめるために発言していることがわかります。
ウ:間違い
「俺が・・・うん、俺が・・・」(2ページ3行目)
「だろ?だろ?だろ?」(2ページ8行目)
述部「マナブの優柔不断な人柄を強調」は状況を正しく理解しないと判断できませんね。書いてあることは一見正しそうにも見えますが、繰り返す表現は自分の考えを固めるために使われているため、これも間違いです。
エ:正しい
「マナブを見つめる母ちゃんのまなざしは動かない」(2ページうしろから10行目)
述部「マナブの感じている緊張を読者に伝えている」は正しい。本文の前後を確認するとマナブは「息が浅い。言葉が切れ切れになってしまう」「マナブは胸をとんとんと叩いて」とあるので緊張していると読み取れます。
大問2|漢字・国文法・話し合いの問題
問1
問題 | 内容 | ◯ |
---|---|---|
2_1(1) | 漢字読み取り 「完膚」は漢検1級 | 52 |
2_1(2) | 漢字読み取り 「彼岸」は漢検2級 | 76 |
2_1(3) | 漢字読み取り 「被る」は漢検4級 | 32 |
2_1(4) | 漢字書き取り 「流氷」は漢検3級 | 59 |
2_1(5) | 漢字書き取り 「殺して」は漢検3級 | 92 |
問2
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
2_2 | 3 | 活用の種類 | 34 |
問題 授業で学習したこと~:動詞の活用「サ行変格活用」種類「連用形」
動詞の活用なので
自立語>活用する
こちらの品詞の分類を考えていきます。
- カ行変格活用→「来る」のみ
- サ行変格活用→「する」のみ
- 五段活用→「ない」をつけると「ない」の前がア段
- 上一段活用→「ない」をつけると「ない」の前がイ段
- 下一段活用→「ない」をつけると「ない」の前がエ段
動詞の活用形は
- 未然形:まだしてない「ない」
- 連用形:用言に連なるので「ます」「た」「て」
- 終止形:言い切り
- 連体形:体言に連なるので「とき」「ので」
- 仮定形:もしの仮定なので「ば」
- 命令形:言い切り
の6種類。
未然形と終止形(命令形)と仮定形は意味から判断が簡単なので識別はそれほど難しくありません。
連用形と連体形だけ見分けれるようにしておくと覚えることが減るのでおすすめです。
- 連用形は用言に連なる。例:育つ→育った、育って、育ちます
- 連体形は体言に連なる。例:育つ→育つとき、育つので
問題 | 基本形 | 動詞の部分 | 動詞の活用 | 活用形 |
学習したこと | 学習する | する | サ行変格活用 | 連用形 |
「する」はサ行変格活用。「する」→「した」なので連用形。
ア | 基本形 | 動詞の部分 | 動詞の活用 | 活用形 |
すればよい | する | する | サ行変格活用 | 未然形 |
これも「する」なのでサ行変格活用。「する」→「すれば」なので未然形。
イ | 基本形 | 動詞の部分 | 動詞の活用 | 活用形 |
泣けばよい | 泣く | 泣く | 五段活用 | 未然形 |
「泣く」→「泣かない」でア行なので五段活用。「泣く」→「泣けば」なので未然形。
ウ | 基本形 | 動詞の部分 | 動詞の活用 | 活用形 |
来ればよい | 来る | 来る | カ行変格活用 | 未然形 |
「来る」なのでカ行変格活用。「来る」→「来れば」なので未然形。
エ | 基本形 | 動詞の部分 | 動詞の活用 | 活用形 |
感じればよい | 感じる | 感じる | 上一段活用 | 未然形 |
「感じる」→「感じない」でイ行なので上一段活用。「感じる」→「感じれば」なので未然形。
問3
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
2_3 | 3 | 四字熟語 | 26 |
選択 | 意味 |
異口 同音 | 「異なる口から同じ音が出る」「みんなが一致して同じことを言う」こと。 具体的には、多くの人々が一致した意見や評価を持っている状況を指します。 |
呉越 同舟 | 「呉と越の人々が同じ船に乗る」「普段は敵対している者たちが、特定の状況下で共同行動をとる」こと。 具体的には、敵対関係にある者たちが一時的に協力する必要が生じた状況を示します。 |
付和 雷同 | 「付和して雷のように同じ」「自分自身で考えずに、他人の意見にすぐに賛成する」こと。 これは、批判的思考や個々の判断を欠いた状況を批判的に表現します。 |
温故 知新 | 「過去を温めて新たな知識を得る」「古い事柄を学び直すことで新しい理解や視点を得る」こと。 これは、過去の経験や知識が新しい発見や進歩につながるという考え方を示しています。 |
問4
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
2_4(1) | 3 | 話し合い | 86 | 3 |
2_4(2) | 3 | 話し合い | 78 | |
2_4(3) | 2 | 話し合い | 47 | 9 |
話し合いの問題を素早く正確に会話文を読んで答えましょう。
正答率も非常に高く、間違えるのはもったいない問題ですね。
大問3|説明的文章の問題
題材:未来の進化論 著:更科功
結論(最後らへんから読み取り)
頭を使わなくなって脳が小さくなってもそれはわずかな変化。大きな変化は起こらない。
問題(最初らへんから読み取り)
人類が登場してから環境は激しく変わり、今でも進化しているのに体に大きな変化が起きていない。
問1
(1)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
3_1(1) | 5 | 内容把握 | 46 |
「自らの< Ⅰ >に、~それらはヒトの< Ⅱ >させることとなった。」
まず<Ⅰ>を本文から見つけるためのヒントとして
- 「寒さを防ぐ」の後にある
- 「自らの」の直後にある→つなぎの部分は言い換えられやすい
- 「衣服や炎といった」の前にある
が問題文から読み取れます。
これらのキーワード(ヒント)を本文で探してみると
傍線部~3行前にすべて含まれており、ここに答えがあると考えられます。
「自らの」が「私たちは」に言い換えられて、その直後にある「体の外」が<Ⅰ>に当てはまります。
次に<Ⅱ>を本文から見つけるためのヒントとして
- 「さまざまな道具を発明」の後にある
- 「それらはヒトの」の直後にある→つなぎの部分は言い換えられやすい
- 「させることとなった」の直前→当てはまる言葉は限定される
本文で探すと傍線部2行うしろに書いてあるが、これは具体例なので、まとめが書いてない点に注意。
傍線部7行うしろから「さまざまな道具」について話がはじまる点に注目
さらに傍線部15行うしろでまた「さまざまな道具を生み出し」と書いてあるので、この後ろに答えがあるとわかる
直後に「生活を大きく変化させてきた」とあり、つなぎの「させることとなった」に合うため
「生活を大きく変化」が<Ⅱ>に当てはまります。
(2)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
3_1(2) | 7 | 内容把握 | 67 |
「延長された体」を作ることで、ヒトはどのようなことが可能になったのかを選ぶ。
ア:適切
1ページ目の13行目(第4段落)の段落に注目すると、前半の「厳しい環境下での生活が可能になり」は本文「極寒のツンドラ地帯にも住み着いた」に対応している。後半の「世界中に分布を広げることができた」は本文にそのまま書いてある。よって適切であることがわかる。
イ:間違い
この選択肢では前半部分で「争い」後半部分で「狩り」「生計を立てる」などのキーワードが確認できる。しかし、本文でこのようなことが書いていないため間違い。
ウ:間違い
1ページ目の8行目に注目すると「牧畜」「ミルク」のキーワードが確認できる。前半の「ミルクを飲んでもお腹をこわさないようになり」は本文に書いてあるので正しい。しかし、後半の「牧畜によって食料を得られるようになった」は、そうかもしれないが、本文に「食料を得られるようになった」との記述がないため間違い。
エ:間違い
この選択肢では「自らの進化を制御することができる」と書いてある。キーワードは「制御」。1ページ目の後ろから5行目「生物学的な体を変化させなくても、そのままで使えるように設計されている」と書いてある。このことから「延長された体」によってヒトは体を変化させなくてもよくなったことがわかるが、制御することができるは逆に「変化させる」ことも制御できるため、少しニュアンスが違う。
問2
(1)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
3_2(1) | 4 | 内容把握 | 82 |
ヒトの体の変化について書いてある選択肢を選ぶ問題です。
本文の傍線部に戻り、「人の体の変化」はどのように書かれているか確認していきましょう。
傍線部から
生活を大きく変化させてきたのに対して、人の体の変化は少なすぎる
と読み取ることができます。
では、選択肢を検証していきましょう。
ア:間違い
「近現代」「近視」「都合の悪い変化が数多く見られる」は1ページ目の10行目に書いてある。近視になるヒトが増えたと書いてあるが、変化が数多く見られたとは書いてないため間違い。
イ:適切
「環境の変化のスピードに対して、体の変化は極めて小さい」は傍線部の「生活を大きく変化させてきたのに対して、人の体の変化は少なすぎる」の言い換えになっているため、正しい。
ウ:間違い
「変化は居住地域にも左右される」は本文に書いてない。「国によって差が出る」も書いてないため間違い。
エ:間違い
「脳の働きが変化していくことで、体の形も変化していく」は書いてない。さらに一番最初に結論となるラストの段落に「脳が小さくなったとしても、~大きな変化は起こらないのではないだろうか」と書いてあるので、脳と体の変化に関連性がないとわかる。
(2)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
3_2(2) | 5 | 内容把握 | 10 | 23 |
ヒトの体の変化について筆者の考えをまとめる問題ですね。
キーワード「生物学的」
- 「新たな技術が発展」の後ろに書いてある
- 「道具が」の直後に書いてある
以上のキーワードを本文で探していきます。
傍線部から4行うしろに「生物学的」のキーワードがある。
「私たちの延長された体は、生物学的な体を変化させなくても、そのままで使えるように設計されている」
1ページ目のちょうど真ん中に「延長された体は、広い意味で道具と言ってもよいだろう」と書いてあるので、言い換えると
「道具は、生物学的な体を変化させなくても、そのままで使えるように設計されている」
となる。
これだけでは文字数も足りず、その結果どうなるかという部分の筆者の考えが書いてないため、さらに本文を確認すると
2ページ目の2行目に
「将来の技術の発展によって、ヒトの体が大きく変化することは考えにくい」
とあり、「新たな技術が発展」の後ろに筆者の考えである
「ヒトの体が大きく変化することは考えにくい」
と書いてあるので、この2つをまとめると
「生物学的な体を変化させなくても、そのままで使えるように設計されており、ヒトの体が大きく変化することは考えにくい」
となる。
問3
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
3_3 | 5 | 内容把握 | 40 |
こういった本文の内容を答える問題は筆者の考えとなる「結論」を頭に入れておくと、選択肢を削りやすい。
結論(最後らへんから読み取り)
頭を使わなくなって脳が小さくなってもそれはわずかな変化。大きな変化は起こらない。
ア:間違い
前半「カロリーの高い食べ物が不可欠」→2ページ目の11行目に書いてあるので正しい。
後半「ヒトの脳は今後も小さくなっていく可能性が高い」→2ページ目のうしろから7行目に「ヒトの脳はさらに小さく進化するかもしれない」と書いてある。可能性が高いは言い過ぎなので間違い。
イ:間違い
前半「ヒトの手は短い時間の中でほとんど変化しなかった」→2ページ目の6行目に書いてあるので正しい。
後半「700万年前と比較すると大きな変化がある」→1ページ目の4行目に「約700万年の歴史を通じて、人類の手はあまり変化していない」と書いてあるので、明らかに間違い。
ウ:適切
前半「ヒトの体がほとんど変化していない」→正しい。これは今までの問題を解いていればわかる。
中盤「ヒトの脳は少し小さくなった可能性もある」→正しい。結論から判断できる。
後半「(脳が小さくなったのは)不思議なこととはいえない」→2ページ目の8行目に「脳が小さくなること自体は不思議なことではない」と書いてあるので正しい。
エ:間違い
前半「人工知能などの~発展によって、ヒトの脳や手足がさらに小さく変化していく可能性はある」→結論から脳が小さくなるかもしれないが、手足が小さく変化することは書かれていない。よって、間違い。これは見落としそうですね。
後半「微々たる変化でしかないだろう」→これも結論で書いてあるので正しい。
大問4|古典の問題
こちらに現代語訳がありました
問1
問題 | 配点 | 内容 | ◯ |
---|---|---|---|
4_1 | 3 | 歴史的仮名遣い | 93 |
「むかへば」には「はひふへほ」の「へ」が入っているので「へ→え」に変えて
「むかえば」が正解。
問2
問題 | 配点 | 内容 | ◯ |
---|---|---|---|
4_2 | 3 | 内容把握 | 64 |
「過半は学問ぶすきの人ならん」をそれぞれ分解して意味を予想すると
「過半は」→「たいはんは」みたいな意味かな
「学問ぶすきの」→「学問が好き?嫌い?」どっちなんだろうか
「人ならん」→「人だろう」かな
「学問ぶすきの」は正直よくわからないが、イの「言いわけ」エの「本当は根気強く」は書いてないので、イとエは消去できます。
アとウの違いである「学問ぶすきの」が学問が好きなのか学問が嫌いなのかを本文で確認していきましょう。
本文の日本語訳が書いてあるところをヒントで考えると、1行前に「決して学問自体が嫌いで言っているのではないと言う人もいた」「もっとも気力が弱い生まれつきもいるかもしれないが」とある。
このことから学問をやらない人のことなので、「学問が嫌いな人」と訳すのが自然。よってア。
問3
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
4_3 | 3 | 内容把握 | 25 | 3 |
傍線部は「歌舞伎、人形浄瑠璃」なので、これがどのようなことの具体例なのか本文から探します。
問題文からのヒントとなるキーワードは
- 「自分が」の直後
- 「こと」の直前
1行うしろに「われ面白きと思ふ事」とあるので、「われ=自分が」「事=こと」が思いっきり書いてありますね。
よって「自分が面白いと思うこと」が正解です。
問4
問題 | 配点 | 内容 | ◯ |
---|---|---|---|
4_4 | 3 | 内容把握 | 54 |
ざっくり現代語訳を理解できれば答えられそうですね。
2行目の発言部分をなんとなく訳していきましょう
われらもそのように思ったけど、生まれつき気力が弱いので、書に向かえば頭痛くなるし、目も暗くなる。
よって、命に変えてまでも、学問はいらないと思う。いたずらに月日を送るだけだ。
6行目からの筆者の考え部分もなんとなく訳していきましょう。
歌舞伎、人形浄瑠璃のにぎやかで騒がしい様子のことは、何度見ても気力はつかない。
このようなとき、自分が面白いと思うことに、気力の弱い人はいない。
つまり
学問をしない言い訳を、気力が弱いからと言っている人もいる、でも面白いと思うことに対しては気力が弱いひとはいないよね。
勉強しない人を皮肉った言い方ですね~
では、選択肢を確認していきましょっ
ア:間違い
前半「生まれつき気力の弱い人などいない」→そういう人もいるかもねと本文で言っているので間違い。
後半「歌舞伎などにのめりこんでいる人だ」→本文に書いてないですね。明らかに間違い。
イ:間違い
前半「気力の弱い人は書物を読むと頭痛に襲われる」→まぁそんなことも言っていたかな
後半「浄瑠璃の台本を読んでみるといい」→はい、全然そんなこと言っていないので間違い。
ウ:間違い
前半「気力の弱い人は命にかかわる」→言い訳として書いてあるだけなので間違い。
後半「命がけで勉強すべきだ」→過激発言。当然間違いですね。
エ:適切
前半「生まれつき気力の弱い人もいるかも」→書いてありますね。
後半「気力の弱さを理由に学問をしないことはあさましい」→皮肉な言い方をした筆者の主張と合いますね。
大問5|作文の問題
大問5:作文(12点)
問題 | 配点 | 内容 | ◯ | △ |
---|---|---|---|---|
5_1 | 12 | 課題作文 | 7 | 82 |
作文を解くときはまず「何を」「どの立場」で書くのか明確にしてから書いていきましょう。
- マスク着用時の会話で気をつけていることに対して自分の考えを書く
- はっきりとした発音で話すことが大切だ
では実際に書いてみましょう。
例)資料から「はっきりとした発音で話すようになる」と答えた人が多いと読み取りました。私は、はっきり発音して相手に伝わるように気をつけています。
以前、私は友人との会話中にうまく伝わらなかったことがありました。これは良くないと思い、相手が聞き取れるようにはっきりと発音しました。マスク着用時には相手が聞き取りにくいため、はっきりと発音することが大切だと考えます。
今回のテーマは書きやすいため、文章を削ることがポイントですね。
しっかりと聞かれていることを理解して、自分の意見と体験を盛り込んで書いていきましょう。
おすすめの国語のテキスト
最後に北辰テストの国語対策としておすすめのテキストを紹介します。
市販
全員必ず買ったほうが良いのは北辰の過去問ですね。
こちらは解説も詳しい(古典以外)ですし、偏差値換算表ですぐに偏差値が確認できるのでおすすめです。
偏差値50を目指す人向け
偏差値が50に届いていない人は、文学的文章と説明的文章が壊滅的に取れていないことが多いです。
まずは、文章を読めるように超基礎的な問題集がおすすめです。
偏差値60を目指す人向け
北辰テストで出題される単元を作文以外はすべてカバーしています。
こちらで解き方を覚えて、北辰の過去問で演習していきましょう。
作文はこちらの記事で書き方を紹介しています。
塾用教材
高校入試向けの塾用教材は意外とたくさんあります。
塾に通っている子は塾の先生に相談するのが良いでしょう。
偏差値50を目指す人向け
必勝シリーズは埼玉県公立高校入試の出題形式にそった問題を掲載しています。
特に国語に関しては1・2年攻略編の解説がかなり詳しいので、こちらの利用をおすすめします。
偏差値60を目指す人向け
ファイナルステージはまとめ用教材としておすすめです。
特に国語は問題数も多く、解説もかなり詳しいのでボリュームはありますが、上を目指す人はおすすめの教材になります。
テキストを買うときは中身を見て、半分くらい解ける問題集を選びましょうね!
賢い犬